interior_2019
福岡天神の中心地、旧大名小学校跡を利用したコンバージョンプロジェクト、スタートアップ施設「FGN-Fukuoka Growth Next」の空間デザインである。運営事業者及びクライアントは福岡市+福岡地所(株)+さくらインターネット(株)+GMOペパボ(株)の共同事業体。
僕の小学校の記憶の多くには廊下がある。仲の良い友達に会いに行くにも気になるあの子に会いに行くにも、廊下でスケートしたり走って怒られたり。青春の記憶の中心には必ずある廊下。今回の改修では躯体の柱のみを残し、教室を間仕切っていた雑壁を撤去することで、その「廊下」を空間の中心として捉え、館内動線を緩やかにつなぐ通路を兼ねた様々な使い方のできるマルチな回廊空間を挿入。また壁の撤去跡や空間備品はあえてそのまま残すことで築100年以上の歴史を持つ学び舎ならではの、歴史の堆積を空間内に「記憶」として魅せる計画としている。
館内に点在する3つのアートはそれぞれ「福岡」「日本」「世界」を意味し、福岡から世界へ羽ばたくスタートアップ企業の象徴としてディレクション。「福岡」を象徴するアートとして山下良平氏の躍動感のある壁画(彼とは高校時代の同級生で初タッグ)。「日本」を象徴するアートにはSynaptic designs の亀田和彦氏ディレクションの元、Media Artistの浅井宣通氏+プログラミングの中村洋暢氏。(亀田氏とも10年来の友人ですがこれまた仕事では初タッグ)。そして「世界」を象徴するウォールアートにはTOKYO DEXディレクションの元、Mr PERU143 。そしてデザイン統括は大学の先輩でもあり弊社東京事務所でもお世話になっているDE-SIGNの今村剛氏(こちらも実は実現仕事としては初タッグ)。というなんとも夢のようなプロジェクトチームでの仕事となり、自分自身もとても刺激になったプロジェクトである。
TGDA_gaku