interior_2015
タイ王国バンコク。温暖な気候と陽気な人柄が醸し出す独特の雰囲気の街中には至る箇所に屋台が点在し、街を行き交う人々が気軽に自分好みのフードやスイーツをその場で気軽に楽しむ風景が日常となっています。計画地EmQuartierは、そんなバンコクの中心地プロンポンの中でも特に最先端の建築として煌びやかに、新世代のタイの流行の発信地として街中に存在しています。またその建築と街中の風景との対比は非常に刺激的であると同時に混沌としており、その風景はバンコクの活気の裏に潜む人々のリアルな生活風景を感じる場所でもあります。今回の計画ではそんなデザインコンシャスなコア(建物)の中にある種異物的に、バナキュラーな香りを漂わせた街中の日常風景を挿入しようと考えました。今回のBAKEは、日本の最新のスイーツシステムとタイの街中屋台を融合させたモ バイルキッチン的なスイーツ屋台としてデザインしています。 タイの現地で出会った素材『SWISSSENCE』を塗膜に採用したモルタル風塊がざっくりと積み上げられたカウンターの上に騒然と並べられた大量のタルト。店舗の外骨格には先端にわずか30φのLEDを組み込み日本国内で製作・輸送したノックダウン式のスチール櫓が現地で組み上げられ、素を意識した素朴な質感と短施工(施工期間5日)という設計条件と相まって、独特のアジア的でエキゾチックで混沌とした空気を纏った、遊び心あふれるいわばBAKE的リミックスなモダンスイーツ屋台 の完成となりました。
TGD_gaku