Project

arflex FUKUOKA
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arflex FUKUOKA

interior_2025

イタリアでモダンファニチャーの思想と心地よい暮らしの在り方を学んだ創業者の保科正氏が、帰国後1969年に国内での展開をスタートさせた家具ブランドarflex。そのarflexの最新店舗となるarflex FUKUOKA店の空間設計を担当させていただいた。クライアントはアルフレックスジャパン 九州エリア総代理店のプロポスタ(株)。
天神の中心地より1駅離れた閑静な場所にある本店PROPOSTA及びPROPOSTA di CASAでは、アルフレックスジャパンが取り扱うMolteni&C、RODA、Riva 1920などのブランドを一括して取扱っており、Molteni&Cに代表されるトップエンドファニチャーを求める顧客層から、arflexなどの心豊かな暮らしに寄り添い、長く安心して使える家具を求める顧客層まで、幅広い層に対し感度の高いインテリアを提案している。

今回の新店舗は、その中でもarflexというイタリア生まれで普遍的な価値に時代ごとの感性を取り入れながらも、日本の生活に馴染みやすく世代を超えて永く愛されるブランドをより多くの方に知っていただきたいとの思いで計画された。

計画地は現在進行中である天神地区の再開発プロジェクト「天神ビックバン」の北区画となる「天神ブリッククロス」の1F。地下鉄天神駅直結オフィスビルのため、既存店である博多区中島町のPROPOSTA と比べオフィスワーカー・週末客共に購買意欲層以外の人通りも多い環境である。


日々の往来の中で、飽きられることのないショールームを計画する

通常インテリアショップのショールームというとウィンドウ越しに飾られた素敵な家具と照明。上質な生活に憧れはあるが入りづらい。しかも通勤ながらいつ見ても、同じ顔をした同じ空間。。そんなイメージである。。尚且つ店側も、販売する商品が家具という大型でかつ高額なプロダクトのため、層々商品の入れ替えや模様替えなども行えない。よくあるインテリアショールーム。そんなショールームから脱却し、どのようなショールームにしたいか。そのブレストの中で大きなテーマとなったのが、「日常の通勤、非日常の体験の中で、如何に飽きられないショールームを作るか」であった。

「飽きられない仕掛け」と「可変性のある空間」

新店舗の区画は約10mのガラスサッシに面した横長の形状であり、一見、30坪の空間全体を一目で見渡せそうな形状ではあったが、新基準のオフィスビル仕様のため高性能のLOW-eガラスがファザードガラスに採用されており、日中の時間帯は外光の反射が特に激しく、非常に空間内部が見えにくい区画となっていた。
そのような環境下で「飽きられない仕掛け」を持った空間を作るため我々は、店舗正面、ファザードガラスから約2m入った箇所にW3,000H2,700の大きなウィンドー用の壁面を建てることとした。この壁面=「SHOWCASE WALL」はファザードガラスからわずか2mしか離れていないため、壁面に照明を当てるとLOW-eガラス環境下でも十分に壁面前の商品を際立たせ、ショーウィンドウとしての機能を十分果たすことが可能となっている。しかしながら、せっかくの10mという広範囲なガラスファザードの約半分はこの壁で隠れてしまうため、我々はこの壁面に十分な厚みを持たせその内部にスチール製の支柱を仕込み、その軸に沿って壁面を回転させることで可変性のある空間を作ることを試みた。

回転することで空間を変容させる「SHOWCASE WALL」

この「SHOWCASE WALL」はW3,048×H2,700、厚み315mm、重量として300kgをゆうに超えるサイズでありながらも、女性スタッフ1人で簡単に押して回転させることを可能とした。またその回転軸を壁面の中心位置から約200mm横にずらした箇所に設計することで、この壁面の位置は回転前後で微妙に変化し、ショーウィンドウのサイズ自体を拡大・縮小することを可能としている。
またマテリアルには表裏全く異なった別々の仕上げ・表情を持たせることで、その空間のサイズだけでなく空間のイメージそのものを大きく変容させることを可能とさせた。

メインマテリアルにはイタリア本国のarflexロゴをイメージした赤い釉薬を施したイタリア製100角タイルを、その他の壁面にもポイント使用することでスタンダード運転時の「arflex showroom」を表現。また裏面はコバウ紙貼りの上AEP塗装とすることでホワイトスペースを作り、空間全体に余白を持たせさまざまなアート企画展の際にも使い易いよう設計している。

ある時には家具ショールームとして、またある時にはアートギャラリーとして。
1枚の壁が回転するという現象のみで空間のイメージを変容させ、年間を通して来客の方にさまざまな顔を魅せる。
飽きられない仕掛けを持った新しいインテリアショールームのあり方のひとつの事例となったのではないかと思っている。

TGDA_gaku