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麻布十番で人気を博したフランス料理店『ALLIE アリエ』の移転計画である。
オーナーの原島シェフはホテルニューオータニ、オーバカナルにてフランス料理の道に入り27歳で渡仏。フランスではAlexandraなど数々のミシュラン名店にて研鑽を積み帰国。2016年に麻布十番にてALLIEをオープン。
今回、9年間愛されてきたテーブルスタイルのクラシカルな店舗から、より多くのお客様との会話を中心に顔の見えるカウンター主体の営業スタイルへの変更を模索し、新しく目黒区柿の木坂への移転計画となった。
最寄駅は東横線都立大学駅。周辺は低層住宅の多い閑静な落ち着いた街並みであり、都市計画により緑化が推進されており古くからの樹木も多く緑が豊かなエリアである。
新店舗が位置するのはかつて、柿の木が多く植えられていた坂があったことが地名の由来である「柿の木坂」を登り切った付近に位置する。
店内計画はフルコースとして時間と手間をかけ料理を仕込む作業場や水周りをバックキッチンとして店内奥に配置し、空間の中心にシェフの動線効率を考慮しながら独立させたシェフズテーブルと、最低限の熱源機器で構成されたオープンキッチンスタイルで構成。お客様をお迎えするステージはそのオープンキッチンを囲んだL字型のカウンター8席と、キッチンからダイレクトにアクセスできる4名個室の計12席である。
フルコースが提供される約2時間、シェフズテーブルでは料理人とお客様との距離が近くなることでシェフとお客様との対話が始まり、目の前で繰り出される手際の良い作業と演出により五感が刺激され、料理が手元に届くまでの豊かな時間が生まれる。
東京都公認のふぐ調理師免許も持つ原島シェフの料理は、四季を感じさせる特殊な日本の食材の調理技術にも精通した、流行に踊らされない美味しさの本質を追求したフランス料理を特徴としており、特注で作られた有田焼の上に丁寧に盛り付けられて完成する美しいフレンチスタイルである。
空間のデザインも、繊細かつ優しい料理と呼応するように自然素材を多用し、パーシモンブラウンをキーカラーに同系色でありながら違う素材を丁寧に重ねて全体を構成。
個室の壁には和のエッセンスとして、特注で漉いて頂いた手隙和紙に地名である柿の木坂に由来し柿渋染仕上げを施した。
また店名である「ALLIE(アリエ)」は、ワイン樽でも有名なフランスのアリエ県から取られたもの。そしてフランス語で「仲間」「同志」という意味。
お客様との縁や絆を大切にしたいという思いもこめられた店名とも連動させ、天井の吊り照明は空間全体をつなぐようにゆるく円を描いた形状にて制作。落ち着いたカラーリングの中に朱赤を帯びた銅素地仕上げとし、赤銅がつなぐ鮮やかなコントラストを効かせた帯状の意匠がパーシモンブラウンの優しい空間の中に浮かび上がる印象的な空間として仕上げた。